「茶箱点前」の基本
「茶箱」とは、利休居士の時代から旅行用・携帯用として使われていた、抹茶を点てるための最小限の道具一式がコンパクトに収められている箱のことです。のちに十一代玄々斎により、「茶箱点前」が創案されました。
茶箱も道具も、見た目に可愛らしいので、茶道の真似事として飛びつく方も多いようです。しかし、「茶箱点前」は茶道のミニチュア版でも、ダイジェスト版でもありません。裏千家茶道の通常のお点前と同じ作法が求められ、『茶箱点前』という一つの手前として確立されています。日本の四季に合わせた「春夏秋冬」の四つの点前と、季節を問わない点前、そして茶籠を使用する合計六種類の点前があります。
六種類の点前は、お盆を使ったり、仕覆という巾着袋を使ったり、「器据(きずえ)」という折りたたみ式の板を使ったりという違いはありますが、基本的に、茶箱の中から必要な道具を手順に従い次々と取り出してお茶を点て、また茶箱の中に道具をきちんとしまうまでがお点前になっています。
基本の利休型
場所を選ばず、時間と空間を創造する
茶室という空間に、自然から五感までの全てを凝縮されているのが茶道ですが、『茶箱点前』は、あなたが茶箱を開けた瞬間から、周りにあなたの空間が生まれ、その場所の空気や風景が、いつもと違った空間として出会いを彩ってくれます。
また、自宅のリビングでお気に入りのソファに座りながら、日常の中でも時間の流れがゆったりとした一時を作り出すことができます。
言うなれば、あなたにしかできない空間を楽しめる茶道の玉手箱。
お茶室が無くても、季節のしつらえや特別な道具を用意しなくても、和でも洋でも……自由に本格的な茶道を楽しめる。これが『光雲庵』が『茶箱点前』をオススメする理由です。
感性を生かした『見立ての茶箱』のススメ
『茶箱点前』をきちんと習得すれば、基本的茶箱の道具でなくても、お気に入りのカップや、アンティークの小箱など、お茶の道具に見立てて使うこともできます。
『見立て』とは、何かになぞらえて表現する、芸術分野で使われる技法で、例えば庭に、山河の風景を表現した「枯山水」の庭園や、盆栽、扇子と手ぬぐいで様々な場を表現する落語など、見立ては日本の文化に欠かせません。
自分の身の回りのものを使って『見立ての茶箱』を作ってみるのも、お茶を身近に感じ、生活に取り入れる第一歩になると思います。そのへんの選び方などもお伝えしていきたいと思います。
それぞれの方の美的感覚やライフスタイルなどを生かしたオリジナルの茶箱づくりなど、皆様がご自宅や旅先などでも気軽に茶道を楽しむためのご提案をさせて頂きます。
茶箱点前を充分にお稽古され、確認稽古にて茶箱点前の習得確認が出来た方には、ご希望があれば「光雲庵 茶箱クラス修了書」をお渡しいたしますのでご相談ください。
シノワズリ
レトロモダン
バケーション
ホカンス
着せ替え茶箱
光雲庵では着せ替えできる茶箱を考案中です。
どうぞお楽しみに。